ドライバーでヘッドスピードを上げるコツ★まとめ





プラス30ヤードのドリル


 このレッスンの目標は短期間でヘッドスピードを上げることです。ちなみにヘッドスピード×1,5=ボールスピード、ボールスピード×4=飛距離ですので、ヘッドスピードが5m/s上がると、飛距離が30ヤードも伸びる可能性が出てくるのです。ヘッドスピードというのは、ただ単純に上げるだけなら10分もあれば2~3m/sくらいはすぐに上がります。しかし、大切なのは初めに正しい体の使い方を覚えてそれからスピードを上げる訓練をすることです。



体をバネのように使い、ヘッドスピードを上げる


 それではまず、体の使い方から説明しましょう。ポイントは体をバネのように使うことです。例えば、片方の手のひらを広げて指先を伸ばし、もう片方の手でその指先を後ろに引いて弾くと、指先はものすごいスピードで戻ります。もし、もう片方の手を使わずに手首の力だけで同じ動きをやろうとしても、指先を引っ張って弾いたときに比べ、スピードは出ないはずです。これは、指先を引っ張った瞬間に筋肉がバネのように伸ばされ、それが戻る力を利用できたからです。このように人の体というものは筋肉の収縮によって動かすよりも、筋肉をバネのように伸ばされ、それが戻る力を利用したほうがスピードを出せるのです。それはゴルフスイングでも同じこと。では、どうしたらバネのような動きで触れるのでしょう。一番大事なのは、体の形をキープしたままスイングする意識を持つことです。基本的に、バネには形を保とうとする特性があり、その特性があるから伸ばされたバネは元の形に戻ろうとするわけです。それと同じで、体をバネのように使うには、体の形をキープする(固定する)意識が必要です。具体的にはアドレスしたときの上半身の形をなるべく変えずに、体を左右に入れ替えるのです。例えば、クラブをものすごく短く持って、グリップエンドを体にくっつけたとします。その状態で体を左右に回すイメージです。このとき、下半身にも固定感を出したいので、アドレスしたときの左足の形、左股関節の位置を固定したままスイングすることも大切です。そうすることで、バックスイングでは左股関節を支点に筋肉が伸ばされ、その伸ばされた筋肉が元に戻るエネルギーでダウンスイングができるようになるのです。



上半身の形をキープするからスピードが出る


 アドレスしたときの上半身の形をキープすると、スピードが出るようになるのはなぜでしょうか。前回、スイングは「グリップエンドを体につけた状態で体を左右に回すイメージ」と説明しましたが、もっと長いもの、例えばピンのような長い棒をお腹につけたまま体を左右に回してみると、その理由が分かると思います。
 この状態で体を左右に回すと、切り返した瞬間(右を向いた状態から左を向こうとした瞬間、もしくはその反対)に、体の筋肉が伸ばされるのが分かります。その直後、伸ばされた筋肉は自然に元に戻ろうとします。そのエネルギーが使えるようになりますので、スピードが出せるというわけです。もちろん、実際にスイングすれば手首の形は変わるし、ひじも曲がります。しかし、自分の意識として、上半身の形を変えないようにするのがスピードを上げるコツなのです。
 よく、ダウンスイングで力むとか、無駄な力が入る人がいますよね?それはスイング中に「ゆるみ」が出て、アドレス時の形が変わってしまっている証拠です。それを力で元に戻そうとするから力むのです。そして、力を入れた割にはスピードが出ないということになってしまいます。上半身の形を固定してスイングする感覚をつかむには、クラブを2~3本持って真っすぐ立ち、左右にステップしながら歩いてみるといいと思います。右に踏み出したときには体全体を45度右に、左に踏み出したときは体全体を45度左に向ける。このとき、絶対に上体の形は変えてはいけません。
そして、自分の意識の中で、手元が体の正面から外れないようにします。初めはゆっくり、慣れてきたら目いっぱいのスピードでこの動きをやります。そうすれば、アドレス時の上半身の形をキープしたまま、体を左右に回転させるという感覚を自然に体感できるはずです。



こんなに速く振れる!と脳をだます


 前回までの練習で体に固定感を出せるようになったら、今度はスピードアップの訓練に入ります。ポイントは自分の脳を徹底的に「だます」ということです。なぜそうするのかというと、基本的に脳というのは、自分が経験していないことはできないと判断します。
例えば、ヘッドスピードを速くするには速く振る必要があるのですが、速く振ったことがない人に、そうさせようとしても、脳が「これ以上速くは振れない」と拒否してしまうわけです。それならば逆に「君はこんなに速く振れるんだよ」と、脳をだましてあげれば、自然に速く振ることができるのです。
脳をだますには、いつもより軽いクラブ(ヘッドを取り外したものや、素振り用の軽いクラブ)を目いっぱいのスピードで振ります。例えばヘッドを取り外したクラブなどは、通常のドライバーよりも10m/sくらい速く振れます。こういう経験をすると、脳は「なんだ、こんなに速く振れるんじゃないか」と勘違いをするのです。実際には、軽いクラブだから速く振れただけなのに、普通の重さのクラブを持っても速く振れるに違いないと思い込むのです。すると、いつもより少し速いスピードで振れるようになるというわけです。軽いクラブを目いっぱい振るだけでもいいのですが、重いクラブ、軽いクラブ、普通のクラブの順でスイングすると効果的です。
軽いクラブというのはどうしても手先でスイングしがちです。それを防ぐためにまずは重いクラブでスイングし(バットやクラブ2,3本)、いい動きを確認してから軽いクラブを振りましょう。
ただ、この練習の効果は長続きしないので、週に3回程度、長期間続けてください。そうすることで、ヘッドスピードは確実にアップすることでしょう。