下半身を止める感覚で打っている





スイングの中で上半身は「動」、下半身は「静」と考えてもらいたい。右ヒザから下以外は動くには動くが、それはあくまで上体の捻転につられてのことだ。
この「動」と「静」の感覚を覚えるために両手を広げてクラブを飛球線と平行に持つ。下半身をがっちりさせて、左手をどこまでも右に押していく。
上体は両手が動き、肩が入っていく。それにつられて下半身も動き始める。この時、右ヒザだけは苦しいが我慢して動かさない。アドレスで決めた方向から外さないように心掛ける。これで上体の動かし方、そして右ヒザ以外の下半身の”動かされ方”がよくわかってくるはずだ。
「下半身を止める」という具体的な感覚がおわかりいただけたことと思う。「止まっているボールを打つには下半身を止める感覚にして打たなければいけない」こう感じてから、私は下半身のどの部分をどのように止めるかに苦労した。毎日。自分の頭の中を整理しないことにはできなかった。
それは自分の持論が正しいかどうかに不安があったからだ。当時はアメリカの逆C字打法が全盛だった。体を大きくそらしフットワークを使う打法は、本当に素晴らしく見えたものだ。
私もあのようにやってみた。が、打球の方向がまったく定まらない。こんな経験からも「下半身は必そこで、下半身を止めるといっても下半身全体を止めようとするのではなく、下半身の中の一点を止めようと考えた。
この試行錯誤の中から「右ヒザを止める」ということがわかってきたのだ。人の体の柔軟性は違う。90度肩を回すということにもこだわらず、捻れるところをまず捻ることにした。
これでスムーズなテークバックがとれるようになった。コンパクトなトッブから安定したスイングができるようになったのだ。方向もいいし、弾道に高い低いのバラつきもない。


このころからである。今まで痛むことなどなかった体の部分が痛み出したのだ。一番はっきりと表われたのが右ヒザであった。
朝、フトンから起き上がろうとすると右ヒザに力が入らなくて倒れそうになる。
それと、もうひとつは腰の上の左右の背筋である。 止めるためにがんばる右ヒザ、そして上半身と下半身の分岐点にあ乙左右の側筋。 穴ら回そうとはしない下半身を置いといて捻ってやるために、左右の側筋が大きな役割を果たしているわけだ。
今でも私は、この右ヒザの疲れと側筋痛を感じることによって「下半身を止める感覚で打っている」と実感する。